2017年10月25日 更新

風俗業界に入り、やがて卒業する日

風俗業界を晴れて卒業する日

風俗店に入店、または体験入店でのハードル

そんなこと、私には絶っっっっ対できない

女性にとって、恋人や夫だけにさらす姿や素顔を会ったばかりの他人に見せるというのがどれだけ「極端な行為」なのかは、皆さん何となく想像できますよね? となると、風俗業界を卒業するどころか、入店のハードルが高すぎやしないかと思えてきます。

しかし、風俗のお仕事は、「極端だからこそ慣れも早い」たぐいのものらしく、言うなれば「きれいに折れた骨折は治りが早い」というのと似ているかもしれません。

職務内容やお客さんのキャラにくじけて、早々に辞める女性は確かにいます。「体験入店だけ来て、それ以降は来なくなった」というのも日常茶飯事です。そこで脱落する人は全体の2割程度といったところですね。

風俗業界から卒業にたどり着く女性の割合

風俗業界で働いていると頭をかかえるようなことがある

風俗店での行為を割り切れたとしても、世の男性のストレスと向き合う職場ですから、当然、目が点になる瞬間に出くわすことがあると思います。

スイマセン、思い切り顔を踏んでいただけませんか?

これはうちの店にいた新人さんが、現場に出て初めてのお客さんに言われたセリフです。先が思いやられる波乱の船出ですよね(笑)。

風俗業界に身を置くと、経営陣、同僚、お客さんなど、十人十色で個性的な人たちにたくさん出会うことになります。この業界は、世の中の「色と欲」が混じり合っている万華鏡のようで、まさに「ドラマのスクランブル交差点」ですね。その中で、さまざまな男のさまざまな性癖に触れる女の子の毎日は「悟りへの道」と言えるかもしれません。

目的を見失うことなくその険しい道を完走し、スッパリと足を洗い、二度と風俗業界に戻ってこない。僕が見てきた限り、そんなふうに風俗業界を経て、次のステップに進める人は5割程度といったところかもしれません。

風俗業界入りと卒業の理由

では、ここで風俗業界に飛び込み、卒業した女性たちの理由をいくつか挙げてみたいと思います。実際に卒業した女の子たちから直接聞いた話ですので、かなりリアルだと思いますよ(笑)。

Mさん(25歳)在籍1年半

Mさんは、看護学校で学ぶために奨学金を受けていました。学校を卒業後、その系列病院に就職したのですが、職場環境が劣悪でやむなく退職しました。それによって、奨学金の一括返還を迫られたのです。その返済と、しばらく看護師を休んで違う世界を見てみようと風俗業界入り。

同じ失敗をくり返さないよう再就職先選びに時間を費やしたそうですが、風俗店では順調に稼いで奨学金を完済、風俗業界を卒業しました。

Rさん(23歳)在籍8か月(途中、免許取得のため1か月休職)

Rさんは、クレジットカードの限度額まで使い込んでいました。しかし、返済はリボ払いのため残金がなかなか減らず、一気に完済するため風俗業界に来たそうです。彼女は猛烈に稼ぎ、入店して3か月で目的額を達成しました。

しかし、その後、運転免許を取得。それにより、新たなミッションとして「新車のゲット」を再設定することになりました。以降、半年足らずで新車オーナーとなったRさん。よほど運転にハマったのか、卒業後は運送業界に転身することに。そして、今は同僚の運転手と結婚し、幸せな妊婦の真っ只中です。

Kさん(31歳)在籍2年

Kさんは事業資金を貯めるために風俗業界入り。いろんなセミナーに参加しながら地道に頑張っていました。しかし、ある日、株のセミナーで出会った20歳年上の資産家に見初められて、結婚することになり業界を卒業しました。

結局、彼の出資で広告関連の会社を立ち上げたので、風俗で稼いだお金はヘソクリに。ちなみに彼女は今、事業を拡大し、デリヘルの開業を検討中とか(笑)。

終わりは始まり

風俗業界を卒業するということ

いかがでしたか? 今回は「風俗業界入りと卒業」について書いてみました。晴れて風俗を卒業した女の子たちにリアルタイムで話を聞いたのですが、皆、一様に当時のことは「いい経験」だととらえているようで、それはやはり、きちんと卒業できたからにほかならないのでしょう。

彼女たちにとって風俗時代は助走であり、必要な時間でした。風俗を卒業したその日こそが、次の自分が始まった日でもあるわけで、そういう意味では、彼女たちにとっての風俗はもう「完結」しているのです。

さて、僕は当記事で、正式に入店できずに脱落する人が2割、風俗業界を見事に卒業できる人が5割だと紹介しました。次回は残りの「3割」のお話をしたいと思います。

サポータープロフィール

旅寅

旅寅

  • ライター

大阪在住、43歳のお父さんライター。はてなブログ『夜行性サナトリウム』を2016年より運営。同ブログ内で発表した複数の記事が、はてなブックマーク総合ランキングで1位を獲得したことにより、はてな有数の「バズライター」として知名度を上げ、本格的に執筆活動を開始。同年、カクヨムにて発表した『造花』がカクヨムエッセイコンテストの最終選考に残るなど、精力的に活動中。著作に『日向のブライアン』がある。

この記事はシリーズになっています

series_graduation

いつかは「卒業」。生涯現役は難しい職種。だからこそ今、精一杯頑張っているはず。皆さんにとってこのシリーズが、卒業へ向けてやるべきこと、卒業した後のことを考える少しの手助けになれば。

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