2017年4月20日 更新

デリヘルで女の子への還元率はどれくらい?

デリヘルで女の子への還元率はどれくらい?

風俗業界のバック率と指名料

前回のコラム「デリヘルでナンバーワンの子はいくら稼げる?」で少し触れましたが、風俗店はお客様が支払った料金のうち、何割かを給与として接客した女の子に支払います。その割合のことを「バック(還元)率」と言います。

デリヘルでナンバーワンの子はいくら稼げる?

さらに、お客様に指名された場合は「指名料」という報奨金が支払われます。女性が自身の魅力や努力でお客様を呼んでくれたわけですから、お店側はその貢献に対して、少額とはいえ「敬意」を表したいわけですね。

ただ、この「バック率」と「指名料」については、残念ながらすべての風俗店が「良心的」というわけではありません。「従業員(社員)への利益還元」が各組織、各企業によってバラバラなのは、どの業界でも同じです。

例)60分コース「1万円」指名料「2,000円」のお店

お店の取り分=5,000円
女の子の取り分=7,000円(指名料含む)

この場合、女性へのバック率は約6割ということになりますが、僕が知る限り概ね5~6割の還元が平均的だと思います。
ただ、それよりも低いバック率を設定している店舗が「悪徳」で、それよりも高いバック率を設定している店舗が「稼げる」のかと言えば、これがまたそんな単純な話ではないんですね。

低いバック率でも、回転がものすごく良くて結果的には稼げる環境もあれば、逆に高いバック率でも1日にひとりしか接客できないような状況では困りますから。

「そもそも、私は稼ぐためにこの業界に飛び込んだんだ」

ブレてはいけない初心があるとすれば、まさにこの部分ですよね。
というわけで、今回は「風俗店から女の子への還元事情」と「自分に見合った稼げる環境」というのを徹底的に暴露……いや、考察してゆきたいと思います。

実際お店の利益っていくら?

デリヘルの経営はもうかるのか

気になる方のために、ここでは「平均的なデリヘル店の、ひと月あたりの収支」を考察し、お店にいくらくらいの利益が出るのかをシミュレーションしてみましょう。
わかりやすいように数字はあえて簡略します。

例)客単価12,000円(お店の収入5,000円・女の子へのバック7,000円)で、1日30人来店の場合

お店の収入

5,000円×30人×30日=450万円

人件費

従業員(3人とする)の給与=30万円×3人=90万円

広告費や経費

広告費(スポーツ新聞・ネット・風俗誌・雑誌など)=50万円
事務所・待機所賃貸経費20万円
諸経費全般(燃料代・高速代・HP維持費・光熱費・通信費・アリバイ対策費・その他雑費など)=60万円

利益

230万円(お店の収入である450万円から、人件費、広告費・経費を引いた額)

というわけで、かなり単純化した「1日30人のお客様が来るデリヘル店」の1か月の利益は、230万円ということになりました。
無論、経費の差もありますから、あくまでも、一例として考えてくださいね。
ただ、当たらずも遠からず……というお店は結構多いと思われます。一応、元オーナーですので(笑)。

「230万円が利益」となっても、全額オーナーのフトコロに入るわけではありません。
当たり前のことですが、「納税」という国民の義務が待ち構えておりますし、商売に波は付き物ですから、「社内留保」(企業としての蓄え)は必須。
仮に、上記例の場合でも、良心的なオーナーなら自分の取り分は50~80万円くらいだと思います。

稼ぐには自分のキャラに合うお店と巡り会うこと

超高級店デリヘル嬢は5万円以上のバック

僕は先日、お仕事で「デリヘルの超高級店グループ」の取締役さんにインタビューする機会を得たのですが、そのお店のお客様は1回のデリバリー依頼で10万円近い料金をお支払いするんだそうです。

そうなってくると、女の子はひとり接客するだけで5万円以上のバックを手にすることになり、その収入は、小規模なデリヘル店のオーナーのはるか上を行きます(笑)。痛快というか……夢がありますよね。

ただ、当たり前のことですが、誰もがそんなお店で働けるわけではありません。
持って生まれた容姿もさることながら、意識、人間性、社会性、接客術など、お客様がお支払いになる料金を考えれば、ハードルは非常に高く狭き門。
人は、持って生まれた自分の武器で戦うしかないのです。

先述しましたが、低いバック率を設定している店舗が悪徳で、それよりも高いバック率を設定している店舗が稼げるというわけじゃないという理由も、実はそこに起因します。
例えばあなたが、7~8割のバック率の高級店に所属することができたとしても、指名がまったく入らなければ稼ぎようがありませんよね?

高級店より大衆店で稼げる場合も

風俗業界は自分の武器で戦うしかない

しかし、風俗業界が面白いのは「ところ変われば何とやら」で、ある環境で稼げなかった人でも、他店に行けばトップクラスに指名が入るということは、それこそ頻繁に起こり得るのです。

事実、高級店を辞めた後、他店に移り、接客ひとり当たりの平均収入が「3,000~4,000円」という待遇の中で年収600万円を稼いでいる女性を知っています。
高級店で富裕層を向こうにまわし、張り詰めて戦う「単価型」の女性にも、リーズナブルなお店に所属してバンバン指名を受ける「稼働特化型」の女性にも、それぞれに苦労や悩みはついて回るでしょう。

でもね、「しんどいな……」と思ったときは初心を思い出してください。

「そもそも、私は稼ぐためにこの業界に飛び込んだんだ」

そして、その後は、想いをはせてみてください。
いろんな街のいろんな夜に、あなたと同じように風俗業界で踏ん張る女性が大勢いることを。
今日も1日、ガンバレ!

サポータープロフィール

旅寅

旅寅

  • ライター

大阪在住、43歳のお父さんライター。はてなブログ『夜行性サナトリウム』を2016年より運営。同ブログ内で発表した複数の記事が、はてなブックマーク総合ランキングで1位を獲得したことにより、はてな有数の「バズライター」として知名度を上げ、本格的に執筆活動を開始。同年、カクヨムにて発表した『造花』がカクヨムエッセイコンテストの最終選考に残るなど、精力的に活動中。著作に『日向のブライアン』がある。

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