2021年8月23日 更新

風俗の仕事に正解はない。だから面白い|吉原グレイシーズ 店長マリン~前編~

吉原グレイシーズ マリン
石川県金沢市出身。大学(津田塾大学)入学のため上京。留学資金目的のためキャバクラで働くが、悪い男にハマってしまい借金生活。返済が追い付かず大学を中退し、風俗の世界へ。波乱に満ちた過去を乗り越え、現在は『吉原グレイシーズ』のプロデュースに関わりつつ、同店トップ嬢としても君臨。ミスヘブン2020東京スタンダードソープ部門1位、全国ソープ部門3位、総合6位。趣味はトライアスロンで休日はチームメイトと大会に向けた練習に励んでいる。特技は、舌を鼻先につけること(笑)

スタジオ撮影の合間をぬって、慌ただしく現れたマリンさん。吉原の人妻ソープ『グレイシーズ』のプロデュースを手掛ける一方で、キャストとしても絶大な人気を誇っている。

自分が売れるための努力をすることは当たり前かもしれないが、マリンさんは以前の店で「女の子とお客様、双方に良いお店」を作りたいと、何度となく社長にかけあい、現場の声を伝えてきた。

その熱意が通じ「新しい店をマリンに任せたい」と、白羽の矢が立ち店舗のプロデュースや運営にも携わるように。今では、お店の発展だけでなく「風俗業界をもっと面白いものにしていきたい」という、ひとつ上の夢を持つようになったそう

「今回の取材を通じて、女の子たちに一番伝えたいことは?」と聞くと、真っ先に出た答えは「自分を大事にしてほしい」という言葉。パッと華やかなオーラ、飾り気のない笑顔の裏には、失敗、反省、苦労の過去と、たくさんの努力があった。

彼のために生きる。貢ぐことが本当の愛だと思っていた

吉原グレイシーズマリン
地元金沢を出て、大学進学を機に東京へ上京。本命は落ちてしまったのですが、津田塾大へ入学することができました。大学名を隠さないのは、学校のイメージで自分を現実化してもらえるからです。ごくごく普通の、どちらかというと真面目な女の子が通う女子大

私は元々地味なタイプだったのですが、留学資金を貯めるため、思い切ってキャバクラでバイトを始めたんです。そこから人生が一転しました。ひと言でいうと、悪い男に騙されたんです(笑)。

人って不思議なもので、全く好みじゃない男にハマることもあるんですよね。チャラい男なんて嫌いだったのに、弱いところ、ダメなところを見れば見るほど、何とかしてあげたくなるというか(苦笑)。尽くし、貢ぐことが本当の愛だと勘違いをし、キャバクラでは収入が足りず、学生ローンで借金。返済のために風俗で働くようになり、大学は中退してしまいました。親は泣いていましたね。

吉原グレイシーズマリン

長い年月、関係が続きましたが、所詮私は都合のいい女。時間、お金を無駄にしたと気づいたのは、別れてからなんです。身を粉にして働いても、本当の愛は掴めませんでしたが、得たものもあるんですよ。それは風俗嬢として這い上がるための向上心。残った多額の借金を返済するためには、がむしゃらに働かなくてはならなかったんです。

稼ぐために、リピーターは必須。初めてついたお客様でも、必ず連絡先を聞きました。聞くことで不機嫌になるお客様もいましたし、「何でお前みたいな女に教えないといけないのか」と怒るお客様もいました。確かに、見た目も可愛くない地味な風俗嬢に聞かれても「個人の連絡先を教えたくない」って思うのは当然ですよね(笑)。

でも、人生は一期一会。きっと私を気に入ってくれる人がいるはず。とにかく当たって砕けろの気持ちで、個人の連絡先を聞いてまわりましたね。やはり、こういった地道な努力が実を結び、少しづつお客様が増えていきました

若い頃は「自分は大丈夫」と過信してしまうけれど…

吉原グレイシーズマリン

借金返済に追われ、仕事漬けの日々。格安店で数をこなしたり、ハードプレイをOKにしたり、NSの高級店で働いたり。ゴムをつけていたにも関わらず、ピルを飲んでいなかったため妊娠をしてしまった悲しい過去もあります。また、ヒトパピローマウイルスという感染症にかかり、子宮頸がん寸前になったりもしました。すべて自分は若いし、大丈夫という過信が招いた結果です。

ピルを飲んでいるのであれば定期的にがん検診を行う必要がありますし、性感染症の検査も「最低限」ではなく、感染する可能性があるものは全て受けて欲しいと思っています。ここでケチっても意味がない。後々取返しがつかなくなる前に、しっかり自分の身は自分で守ること

若い頃って、変に自信があるんですよ。「ゴムをつけているから絶対妊娠しないだろう」、「性感染症にかかっても、大事には至らないだろう」って。周りが気を付けてって言っても、自分がそうならないと分からないんですよね。せめてうちのお店で働く子には、自分を守るための方法を伝え、絶対に無茶をさせる環境にはしたくないと思っています。

キャストにしか分からない感覚をお店づくりに役立てたい

吉原グレイシーズマリン

私は『グレイシーズ』の立ち上げからプロデュースに携わっています。最初はグループ系列のお店で働いていたのですが、いろいろと改善点が見えてきたので、社長と面談をしてもらったんですね。そこで「新店の計画があるから、マリンが店長になるか」という話になりまして。と言っても、私はプレイヤーでもあるので、オペレーションを管理しているわけでもないですし、現場の店長は別にいるんですけどね(笑)

お店の経営者やスタッフさんに「キャストの気持ちを理解してほしい」って、言っても所詮無理な話。だってキャストじゃないんだもん(笑)。お客様もお店に直接意見を言うこともあるだろうけど、本音は仲のいいキャストに言いますよね。

例をあげると、お店側は「新規割」をバンバン打って、新規をとることに注力しがちですが、常連さんから「この店は新規ばかり割引するよね」と軽く愚痴を言われたことがあるんです。私たちキャストも、ご新規様はもちろん大事。でも、何度も通ってくれるお客様はもっと大事。そこでリピーターさんにも還元できるポイント制度を取り入れました。

吉原グレイシーズマリン店長

女の子は、カラダだけでなく、心もすごくデリケート。モチベーションが下がらないように、指名料やバック率などのルールを明確にしています。風俗業界って、ひいきによる不公平感が理由で辞めてしまう子って多いんですよ。頑張った子にはきちんと評価。当然ですよね。

お店づくりで意識していることは、人妻のイメージを固定させすぎないこと。うちは人妻店ですが、一般的に吉原の人妻店っていうと「妖艶、テクニシャン」みたいなイメージがありますよね。私なんて、全然真逆(笑)。パステルカラーが好きだし、色気を売りにはしていません。

キャリアはかなり長いので、洗い場のプレイはある程度できますが、今でも講習を受けて技術力の向上は怠らないようにしています。でも、お客様が求めるものは、十人十色。かわいい人妻、妖艶な人妻、すごいテクニックの人妻、いろんな女の子が在籍できるお店にしたいと思っています。

吉原グレイシーズマリン店長

後編に続く。

サポータープロフィール

みやねぇ

みやねぇ

  • みっけStory編集部

風俗キャストをサポートするWebマガジン「みっけStory」編集長。生粋の江戸っ子で、情にもろいタイプ。路上で拾ったじいさん猫が宝物(→18歳で昨年天国へ…)。お酒と美味しいパンは正義♡趣味はマラソンと阿波おどり。ともに歴12年。最近は筋トレにハマってます。三角筋と大円筋好き♡

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