シリーズでお届けしている「風俗業界が取り組むべき性病対策」。
シリーズ最終章のテーマは、性感染症検査における「風俗店側の取り組み」について。
女の子だけでなく、お店の経営者、スタッフさんにぜひ読んでいただきたいですね!
>>過去記事「予防会×風俗求人みっけ」の特集はこちら
さて、質問です。
- あなたの勤めるお店は、性病にかかった際のリスクを教えてくれますか?
- 毎月の検査を義務付けていますか?
- 検査は任意として、女の子任せにしていませんか?
上記を怠っているお店と、きちんと検査について取り組んでいるお店。どちらが女の子を大切にしているお店だと感じますか?
関東にソープランドを多数展開する『グループアージュ』さんは、予防会と提携し、定期健診を行うようになって早10年!(長い!)
在籍キャストが安心して働くための取り組みのひとつとして、全員に定期健診を義務づけています。
今回は予防会の広報担当青野さんにも同席いただき、同グループの面接担当、五十嵐さんに定期健診の目的やメリットをお聞きしてきました。
- 五十嵐ゆうき(グループアージュ面接担当)
- 転職活動中に、知り合いの伝手で同グループの女性スタッフ求人の募集を知り、1年前に入社。現在はグループの面接担当として活躍している。趣味は最近始めたダーツとひとり飲み。ホッピー(白)がマイブームという元気いっぱい、チャーミングな女性。
入店前の検査と、月1度の定期健診は必須
こちらの定期検診は、予防会の出張検診と外来検査を組み合わせているんですよね。
そうなんです。出張と外来を併用しています。出張検診のタイミングで受けられなかったキャストには
予防会のクリニックに直接行ってもらっているんです。予防会のクリニックは便利な場所にあるので、皆さん問題なく受診できていますよ。
首都圏だと新宿、池袋、渋谷、川崎、横浜にクリニックがあるんですよね。仕事帰りや買い物ついで行ける場所ばかりなので、すごく便利そう。
予防会ではグループアージュ様の検査と治療を一貫して実施しています。一貫することによりスピーディな検査の管理が可能になり、在籍キャスト様への安心・安全につながると考えています。
万が一の時にすぐに治療に入れる。これは確かに安心感が違いますね。『グループアージュ』さんに在籍している女の子は、全員この検査を受けているのでしょうか?
グループでおよそ700名ほどのキャストが在籍していますが、検査は全員必須です。薬物検査も行い、入店後は月1回のペースで検査を実施しているんですよ。これは出勤日数に関係なく、全員に受けてもらっています。たとえ勤務日数が少なかったとしても、感染するリスクがありますから。
そうなんですよね。「出勤日数が少ないから任意」というお店もあるみたいですが、風俗のお仕事をする以上は必ず受けてほしいな、と思います。あ、費用って自腹ですよね?(笑)
実費は、ご自身で払っていただきます。正直検査を受けたことがなかった女の子には「結構高いんですね」「今までの店ではやっていなかった」と言われることもありますが、面接時に説明をして「自分を守るために必要な経費」として伝えています。店舗単位で契約を行うことにより通常価格よりディスカウントされるので、ご自身で受けるよりはお安く検査していただけますよ。
性感染症(自分の体)に対する意識を持つ子しか入店しないわけですから、結果的にお店の質の向上にもつながりそうですね。ちなみに薬物検査って、どんなことがわかるのですか?
覚せい剤、大麻、幻覚剤などの常習性がないかを検査します。WADA(世界アンチドーピング機構)認定機関で検査を実施しているので、精度は大変優れています。
当然、薬物を使用している女の子は応募してこないでしょうし、入店後もドラッグ使用に対する強い抑止力につながりそうですね。
性感染症検査を義務付けることでのメリット
予防会の性病検査を義務付けていることで、どんなメリットがあるか教えていただけますか?
風俗でお仕事をしていると、性病にかかってしまうリスクは生じます。でも定期的な検査をすれば、早期発見・早期治療につながるので、感染したあとの初動が全然違うと思います。
早期発見は本当に重要ですよね。気づかずに放置すると、重篤な症状に進行してしまうこともあるようですし。
そうなんです。軽度であれば投薬ですぐ治って、復帰までの日数も最小限で済みますから。無症状であることも多いので、検査で陽性だった女の子が「自分が感染していて驚いた。検査してよかった」と言っていましたね。
ホームページでも毎月検査を行っていることがわかるので、お客様にとっても「安心して遊べるお店」だと言えますね!
あとはグループ全店舗でお店の入り口に実施の証明書を掲示しているんです。検査を実施すると予防会さんから実施済のシールをいただくので、毎月ペタっと貼っています。
実際、採用の際「定期検査が入店のきっかけになった」という事例はありましたか?
ありますあります!面接の際、アンケートシートに応募した理由をチェックしてもらっているのですが「性病検査があるから」という項目にチェックをしてくる女の子も結構います。
定期健診の義務化は、お店の信頼につながりますし、採用時のアピールポイントとしても効果大ですね。
在籍キャストが性病にかかったら?お店がすべきこと
万が一女の子が性病に感染してしまったら、お店側のとるべき行動について教えてください。
まず、キャストさんは完治するまで出勤できません。たとえ軽度であっても、お客様への感染が広がる可能性があるためです。人気キャストさんの場合は、特に痛手になってしまいますが、後々のリスクを伝え、お休みしてもらうようにしています。
すぐに気づけば、女の子のお休み期間も最低限で済みますし、それに伴う売上の減収も最小限ですしね。
グループアージュ様のように、グループや店舗とのご契約させていただいた場合は、キャスト様の検査結果や過去の履歴などが一覧で閲覧できる「
検査結果⼀括管理システム」をご提供しています。店舗様にとって
検査の管理が簡単になるツールなので、早期発見・早期治療にぜひお役立ていただきたいですね。
感染していることに気づかずに放置してしまうと、感染拡大の危険性が出てきます。お客様から感染経路を特定され、今はSNSやお店の口コミサイトなどで「性病が蔓延している店」「〇〇ちゃんに移された」と女の子の情報まで流されてしまうケースも出ているようです。
それは大変!風評被害が広まると、今後の求人や集客も厳しくなってしまいますものね。
性病検査は女の子に任せるだけはなく、お店側がしっかり管理・フォローしていく必要があると思います。それはお店のためにも。
すべては「女性が働きやすい環境のため」
ホームページを拝見したのですが、性病検査のほかにも、様々な取り組みをされていることがわかりました。五十嵐さんを含め、面接担当は全員女性というのも意図的なものですよね?
はい。6名の女性スタッフで面接を担当しています。全員が女性というのは賛否両論あるかもしれませんが、傷などを確認するボディチェックや、風俗業界で働く動機や不安をお聞きするのは、女性のほうが安心していただけると考えているためです。技術指導の講習員もすべて女性なんですよ。もちろん店長をはじめ男性スタッフはたくさんいますし、女の子へのフォローはみんなで行います。でも、講習はやっぱり男性スタッフだと抵抗がありませんか?……(笑)
まぁ、そういう女の子は多いですよね(笑)。あと、こちらは完全衛生器具着用店だとか?
はい。当グループのソープランドは大衆店から高級店まで幅広いコンセプトがあるのですが、全店舗完全S着です。お客様にご理解いただけない場合は入店をお断りしているんです。女の子もそれを破った場合は、退店していただくという厳しいルールをとっています。
徹底してる!お客様から「あの子はOKだったのに?」っていう駆け引きをされないわけですね。それは働きやすそうです。
ありがとうございます。働くのはやはり女性なので、いかに気持ちよく稼いでいただけるかをグループ一丸となって考えているんですよ。美容クリニックの提携をはじめとして、福利厚生もたくさん。私だったら、やっぱりここに入店したいですもん。絶対いいと思うんですよねぇ~(笑)
『グループアージュ』さんが女の子の安全・安心をしっかり考えて運営されていることが、とてもよくわかりました。この記事で今まで性病検査を重要視していなかった風俗店の意識が少しでも変わればと思います。本日はありがとうございました!
店舗関係者の方へ
予防会は東京、神奈川、福岡に7つのクリニックを運営して性感染症の「外来検査」を行っています。全国の店舗様へ予防会の担当医師が直接訪問し、検査を行う「出張検診」や、どこにいても⼿軽に⾃分で検査でき、予防会のクリニックで治療も受けられる「郵送検査」など、働く女性が検査しやすい方法が用意されています。
外来検査、出張検診、郵送検査、いずれのサービスでも団体割引で受けていただけるとのこと。すべての検査結果は、WEB上で手軽に簡単に確認することができるので、とっても便利。団体割引や、詳しいサービス内容を聞いてみたい店舗関係者の方は、ぜひお気軽に問合せをしてみてくださいね!