風俗は究極の接客業。何かあっても周囲に相談できなかったり、人気が出れば出るほど、頑張りすぎて心が崩れてしまう女の子もいます。
私の講習を受けに来る教え子さんたちは、みんな頑張り屋さんで明るい子ばかり。しかし、全員が強いメンタルを持っているわけではありません。
働き方も違えば、お金を稼ぐ目的も違う。性格も容姿もみんな違うのですから、どんな理由で心が折れてしまうのかは誰にもわからないのです。
今日はどんな時にメンタルがやられてしまうのか。また、その対策についてお話しします。
掲示板に書き込まれた誹謗中傷
以前、私の教え子さんが精神的に病んでしまったことがあります。その原因は「SNSでの誹謗中傷」。
あることないこと、さらには自宅の住所なども掲示板に書かれてしまったのです。
SNSは便利ですが、使い方を間違えると精神的に追い込まれてしまう怖いツールでもあります。
自分にとって不利益になるような情報は「気にしないこと」。一番は「見ないこと」です。わざわざ自ら掲示板を見に行く子もいますが、今日からそれはやめましょう。
嫉妬心からくる同業の子からの書き込みだけでなく、悪口や噂話を面白がって書き込むお客様もいます。
一度見てしまうと気になりますよね?その先にはストレスしかありません。
昔は考えられなかった問題ですが、もしも今、私が現役だったら絶対に見ないでしょう。というより、忙しくて見る暇がありません。常にお客様のことだけを考えて仕事をし、売れっ子になれば雑音は耳に入らないし、妬みを持つ子を相手にするだけ馬鹿馬鹿しく感じるはずです。
そう、噂話を気にする暇がないくらい、忙しくしていればいいんです。それは仕事だけでなく、プライベートを充実させることでもいいでしょう。
なぜ風俗嬢という仕事を選んだのですか?稼ぐためですよね。
あなたが専業であれ、副業であれ、学生さんの気軽なアルバイトであれ、稼ぐためにこの仕事を選んだはずです。
心が荒んでしまうような、書き込みは無視して、お客様が楽しむこと、自分が楽しむことだけを考えてください。自然と周りが気にならなくなりますよ。
お客様を繋ぎとめるために無理していませんか?
お客様から「店外」に誘われて、断り切れないと嘆く女の子がいます。
お店の枠を買っていただくわけではなく「食事をご馳走するから」「旅行に行こう」などの理由で、お店を通さずに外で会おうとするお客様。たいていは「太いお客様」なので、断ってしまうと指名が取れなくなる、と思い、女の子はついつい応じてしまうのだそうです。
でも、風俗は飲み屋ではありません。働く時間を買っていただくお仕事です。応援してほしいのであれば、貸し切りで枠を買ってもらえるようになればいい。
そのお客様を本当に好きだと思えば、会っても良いでしょう。でも、指名のためにつなぎ留める存在であれば、断るべきです。
一度店外をOKしてしまうと、また誘われるようになります。その先も自分のプライベートを削って会い続けることができますか?
確かに仲良くなると情も湧いてきますよね。でも店外を繰り返すことは結果的に自分を苦しめるだけ。心が揺れているのがわかるから、相手はその隙をついてきます。
そして、断るストレスでメンタルを病んでしまうこともあれば、店を介さず会うことで、ストーカー被害のリスクも出てきます。
店外を断ったことで「もう行かない」と言われたら?「今までありがとうございました」でいいじゃない(笑)
断ってもお店に来てくれる。そんな方が、あなたにとって本当に必要なお客様です。
お客様はいつか去っていく。だから指名客に頼らない
どうしても常連様だけで接客をしていると初心を忘れてしまいがち。稼ぐためには、フリーのお客様をしっかり指名で返せるかがとても重要です。
私の講習ではフリーでついたあと、指名で返せるような接客、技術を教えています。技術を覚えることはもちろん大きな武器になりますが、ちょっとした心遣い、気配りは技術と同じくらい大切なもの。
常連さんで埋まっている女の子にも関わらず、たまに入るフリーからの指名がほとんど返らないとしたら……。
「人気嬢だとお店のスタッフに紹介されたけど全然よくなかった」。残念ですが、お客様はそんな風に感じているかもしれません。
新人の頃に講習を受け、人気嬢になってしばらく音信がなく、再度困って講習にやって来る子がいます。流れを確認させてもらうと、たいていの子は初心の心遣いが抜けています。
この仕事は、頑張りも結果に繋がりますが、当然「慣れ」「過信」も必ず結果となって返ってきます。
太いお客様だけで指名が埋まるのは、女の子側からすれば、仕事もやりやすく、収入も大きくなります。しかし、どんなお客様でも、いずれは去っていきます。
特定のお客様だけに依存していた時のダメージは甚大で、お客様が去る→焦る→いい接客ができない→お客様がつかない、という負のスパイラルに陥る原因にもなってきます。収入がなくなると、当然、精神的にまいってしまいますよね。
私はどんな時でも、新しいお客様を常に指名で返せるような丁寧な接客をしてほしいのです。
入店した当時はお客様に満足していただくために、一生懸命な接客をしましたよね?初めて指名された時の嬉しさを覚えていますか?手にした大金に「もっと頑張ろう!」と目を輝かせたのではないでしょうか。
キャリアや人気におごることなく、「今」目の前にいるお客様が満足していただけるように。どんなお客様にも最善を尽くすこと。
コロナ禍で、風俗業界は大打撃を受けましたが、その時に来てくれたお客様に丁寧な接客をし続けた女の子と、手抜きの接客をした子では、「今」雲泥の差がついていますよ。
人と比べない。自分の接客スタイルを崩さないこと
風俗のお仕事は、努力が結果につながりやすく、1日で驚くほどの報酬を手にすることができます。
しかし忘れてはならないのが、私たちは「個人事業主」であるということ。悩みがあっても相談できる相手がいないため、ひとりで抱え込んでしまうケースも見受けられます。
時にはイヤなお客様に当たるかもしれません。そんな時、SNSなどを活用し、悪口で発散する子も見受けられますが言葉は人格となって現れますし、類は友を呼びます。せっかくのやる気が、マイナスの感情に引っ張られないように気を付けてください。
私の講習に来る生徒さんたちの目的は様々ですが、合同講習会では「やる気があるのに指名が取れない子」たちが、お互いに悩み相談をしたり、解決方法をアドバイスする、といったほほえましい光景をよく目にします。同じ志で頑張れる同業の子と、適度な距離で付き合うのはメンタルを保つためにはとても有効です。
ただし、同じお店の子の場合は要注意。どちらか一方が売れてくると「ねたみ」の感情が出てくることがあるので、気を付けてください。
自分が「ねたみ」の対象となり、掲示板などに書かれるのは、それを見なければいい話。でも、他の女の子に嫉妬し、自分を卑下するのはやめましょう。「あの子は胸が大きいから」「顔がかわいいから」「恋人接客ができるから」……。
あの子はあの子、あなたはあなた。他の人の魅力とあなたの魅力は違います。風俗で人気嬢になるためには、ルックス以外の要素が大きいのも事実。ありのままの自分をより魅力的にアピールすればいいのです。
売れている子ほど、毎月写真を替える、写メ日記を頻繁に更新する、SNSで自分をアピールする、といった努力を怠りません。そしてトップ嬢になると、ファンが多くなる一方で仲間が離れていくこともあります。トップの座を続けるためのプレッシャーも感じるでしょう。
でも、自分が無理し続けてしまうと、メンタルが脆くなるのは当然。
努力することと、無理をすることは違います。自分の魅力を伸ばし、自分に合うお客様がくればいい。そんな風に気楽に考えてみてください。
覚悟を決めてこの業界に飛び込んできた以上、さまざまなストレスを跳ね除け、稼げる風俗嬢になってほしいと心から願っています。
ではまた、次回お会いしましょうね。
沙也加。