2018年10月2日 更新

「風俗で働く女の子が幸せになるサポートをしたい」 ~風俗業界で働いた経験が卒業後の人生の力に~

「風俗で働く女の子が幸せになるサポートをしたい」 ~風俗業界で働いた経験が卒業後の人生の力に~
みすずさん(25歳)
みすずさん(25歳)
18歳より風俗業界で働き始め、ソフトエステ、デリヘル、ホテヘルを経験。23歳のとき勤務した大手エステ店で、人気No.1の座を獲得する。現在は、以前から感じていた「人の役に立ちたい」という思いを実現させるため、風俗を卒業し地方に移住。美容関係の仕事をしながら、風俗で働く女性を援助する仕組みをつくることを目指している。
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お店を転々としたあと、直感的に選んだソフトエステ店が活躍の場に

「友達の誘いがきっかけで、18歳のときから風俗の仕事を始めました」と言うみすずさん。20歳でソフトエステ店を辞めたあとは、なかなか良い職場に巡り合えず、デリヘルやホテヘルなど、さまざまなお店を転々としていた。

「お店の男性スタッフから変な誘いを受けたり、趣味で講習をされそうになったり。デリヘルでは、泥酔したお客に、お風呂に入っている隙にお金を盗られたり、スマホを使って盗撮されたりといった危ない目にも何度か遭いましたね」

そんなみすずさんが、ようやく落ち着いて働けるお店に出会ったのは23歳の時だ。

「大手風俗サイトのランキングで、不動の1位を獲得しているソフトエステ店があって。友達の間ではあまり評判が良くなかったけど、なんだか、このお店しかないなという直感があり、面接に行ったのが始まりでした」

自分の魅力の見せ方を工夫して指名を増やし、1年でNo.1に

新人時代のみすずさんは、「100人ほどのキャストが在籍する人気店のなかで、埋もれないようにしなくては!」と、がむしゃらに仕事をした。

「新人期間に自分をどれだけ売り込めるかが勝負だと思ったので、まずは写メ日記をめっちゃ頑張りました。自分のイメージに合った写真や記事をアップするように心がけていましたね。あと、源氏名をだれも使っていない目立つものにしました。“あ行”や“ゆ行”はみんなよく使うので、自分はまったく違うものを選んだんです。

それから、この人なら絶対にリピーターになってくれそうなお客様をつかむよう頑張りました。リピートされるようになると、店舗スタッフさんの目に留まりますよね。それを1か月徹底し、お店から売り出してもらうことに成功しました」

お店にプッシュしてもらった直後、風俗サイトに掲載した写メ日記のランキングが1位に。それをきっかけに、毎回、出勤前日で予約が埋まるようになった。いきおいに乗り、1年目にしてお店の人気No.2の座を獲得。その後、新店に異動してからさらにランクアップし、No.1に輝いた。

「当時は、1日の収入が5万円を切ることはなかったですね。ありがたかったなと思います」

25歳で風俗を卒業。今後は、風俗で働く女性をサポートする仕事をしたい

みすずさん(25歳)

みすずさんは、異動した新店で1年間勤務したあと25歳で風俗を卒業し、地方に移住。2016年10月からは美容関係の仕事に就くことになった。

「実は、美容関係の仕事とは別に、風俗で働く女の子の支援をしたいと考えています。長い間、風俗の仕事をしてきて、女の子への支援が足りないと感じたんですね」

週4日から5日フルタイムで働いて、仕事中心の生活を送っていた現役時代、「稼げているのに、なんともいえない不安や寂しさに襲われることがありました」と語るみすずさん。

「指名が取れないことが続くとプレッシャーを感じて、すぐどこかに行きたくなっちゃうんですよね。だから、しょっちゅう旅行に行ったり、買い物をしたり、友達と飲みに行ったり、なにかをして気を紛らわせようとしていました」

風俗で働くうえでの悩みは、身近な人には相談しづらいこと。また、社会保険や雇用保険がなく、社会からのけ者扱いされているようなふがいなさや、頑張っていても認めてもらえない理不尽さに悩むこともある。肉体的にも精神的にも疲れる仕事なのに、だれに相談すればいいのかわからない。

「カウンセラーに相談したとしても、本当に自分の気持ちをわかってもらえるのかという不安がありました。だから、風俗経験のある人に相談したいと、ずっと思っていました。そこで、自分がなろうと思ったんです。いずれは、座談会を開くとか、女の子が休める施設を作るとか、風俗の仕事を卒業したあと、お昼の仕事に就く仲立ちをするとか、風俗で働く女の子を元気にするお手伝いをしたいと考えています」

必要とされる喜び。風俗で働いた経験は、必ず自分の人生の力となる

風俗の仕事は大変なことが多いのに、みすずさんがそれを続けてきたのはなぜなのか。風俗を卒業し、自分のやりたいことに向けて歩み始めたみすずさんに、あらためてご自身を振り返ってもらった。

「風俗って、お金だけでなく、自分が必要とされているという実感が得られる仕事だと思うんです。今思うと、それが好きだったのかな。2年間ずっと毎週通ってくれるお客さんから、「悩んでいた時、みすずさんからいろいろアドバイスをもらって、本当に救われたよ」って言われた時はうれしかったです」

 カウンセラーとして本格始動に向けてブログを書いたり、知り合いの人に意見を聞いたり。みすずさんは、地道に努力を続けながら、海の見える穏やかな町で充実した日々を送っている。

「楽しいことばかりではないけれど、風俗で働いた経験は、必ず自分の人生の力になると思います」

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サポータープロフィール

陽月 メオ

陽月 メオ

  • ライター

(よみ:はづきめお)東京都出身。ナイトワーク系のフリーライター歴は10年以上でホストクラブと風俗店への取材を多く手掛けた。家族の確執や依存などで長年悩んだ経験を生かし、心理カウンセラーとして活動した経験を持つ。

この記事はシリーズになっています

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いつかは「卒業」。生涯現役は難しい職種。だからこそ今、精一杯頑張っているはず。皆さんにとってこのシリーズが、卒業へ向けてやるべきこと、卒業した後のことを考える少しの手助けになれば。

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