SNSなどの発信型メディアにおいて、多大な影響力を与えるもの・人のことをインフルエンサーと呼ぶ。「屈強な黒人男性ちゃん」もそのひとりだ。
Twitterのフォロワー数は10万人を超えた。ソープで働き、整形で顔を変え、ホストに大金をつぎ込んでいた過去。
そして、次なる夢に向かって突き進む彼女が発する言葉は、もはや何かを超越しているのだろうか。時に厳しく時に優しく、そしてユーモアも悲しみも、自虐でさえも、独特の世界観で読む人の心に訴えかける。
以前から“かなり気になる存在”だった。
Twitterのユーザー名が、まず凄い。「屈強な黒人男性ちゃん」だもの。
「つぶやき」も毎回強烈なインパクトがあり、取材が決まった当初は多少なりとも緊張があった。
しかし、実際の彼女はとても可愛らしい声でよく笑い、過去も未来もしっかりと自分の言葉で語ってくれた。現実離れした話の数々に、インタビューサイドとしては時折言葉を失いそうになったけれど(笑)。
今は、ソープを辞めて、来年のアメリカ留学に向けた準備をしてるという。
「みっけStory」のコンセプトは“風俗で働く女の子のサポートサイト”。
いじめや中絶などの暗い過去を乗り越え、今の幸せを手に入れた「屈強な黒人男性ちゃんのStory」を紹介したい。
いじめ、援交、中絶、退学。壮絶な十代
――早速ですが幼少期のお話から聞かせてください。
昔はすごく太っていて、小学校の頃はいじめられていたんです。中学に入り半年で20kg痩せました。そこからはいわゆる問題児ですね。中学デビュー(笑)。髪を染めたり反抗したり。
――親御さんはどうされていたんですか?
生まれてすぐに母親が出て行ったんです。
その後、父に引き取られ、新しい母親ができたのですが父が亡くなって。だから今の母親とは血が繋がってないんですよ。母親は私のことを嫌いだったんだと思います。体操服を買ってもらえなかったし、私に向かって「ブス」と言いました。
そこで心に決めたんです、「将来絶対整形する」って。
――それは幼な心に辛かったでしょうね……。高校時代はどんな生活を?
援交してましたね(笑)。
――えっ!! それは高校入ってすぐですか?
はい。15歳から18歳まで。一回中絶しちゃったんで半年止めいてた時期もありますが、また再開してかなり貯めました。が、そのあとホストで使い果たしました(笑)。
――そうなんですか!(笑)ホストのことは後ほどお聞きしますね。中絶してもなお続けてしまう理由は?
彼氏がいたので罪悪感はありましたが、お金を貯めたくて。
私、高校も中退しちゃったし、この先お金がないと生きていけないと本気で思って貯金していました。あとは家にも入れましたね。高校時代に貯めたお金はもう使ってしまいましたけど。
――まさか援助交際をしていることをお母様も知っていたとか?
知ってました。母親に「体売ってお金を稼いでこい」、って言われてたんで。
――え……(唖然)
ソープ時代は鬼出勤して月収300万円~400万円
――風俗へは高校を卒業、というか中退後すぐ行ったのですか?
はい。デリヘル、セクキャバをやって、その後スカウトされてソープに行きました。
――高級店だったんですよね? 整形しなくても美人だったのでは?
高級店でも類があり、顔が可愛くなくても働けるところもあります(笑)。
そこはカラダ重視だったんで。胸は昔から大きかったんです(笑)。
――ソープでも人気があったようですが、仕事自体は楽しかったですか?
元から喋るのが好きなので楽しかったですね。常連さんが多かったので1日貸切で埋まってしまう日も。貸切やロングの日もあって、店外の日は外出をすることもあるので、普通のデート気分で楽しんでいました。
――差し支えなければ当時の収入を教えていただけますか。
ソープとデリで鬼出勤して、裏引きもして、月300万~400万円くらいですね。
ホストには現金を手渡し
――月400万!? 会社員の平均年収ですね(笑)。お給料の使い道は?
ホストにハマってしまってからはホストです。月300万~350万円くらい使ってました。
――350万!!!! もう金額に驚いてばかりなんですが(汗)。あれ? でも生活は大丈夫だったんですか?
パパにお小遣いもらってたんで(笑)。あとお店のカケで遊ぶこともありました。
――パパ!!?? ……な、なるほど。ホストへ行くきっかけは何だったんですか?
職場の待機所で女の子と話して、最初はなんとなくって感じで行きました。いつも自分が話してばかりだから、話を聞いてもらうことが嬉しくて。
そこから通い詰めるようになっちゃいましたね。ひとつに絞らず、いろんなお店に行ってました。
――でも月350万円という大金を、シャンパンタワーとか? そういうもので使いきれるんですか?
ひとり大好きな担当(指名しているホスト)が過去にいて、その人には現金を手渡ししていました。
――ホストへはもう行ってないんですよね? 行かなくなったきっかけは何だったんですか?
将来の夢がはっきりしてきたので行かなくなりました。パタっと止めましたね。
その頃の友達と「ホスト通いでは何も残らなかったけど、友達だけは残ったね」なんて、今では笑って話しています。
――その「はっきりしてきた夢」が留学なんですね。
はい、そうです。
次回後編では、幼い頃からの夢であった「整形」をした時の話、そして今後叶える夢「留学」、について語っていただく。