風俗店の安全対策
先に書いておきますが、質の良い風俗店は安全対策をしているものです。
ただし!!
あくまでそれはお店の定めたルールを、働く女性が守った場合に限ります。赤信号を無視すれば事故にあうリスクが跳ね上がるように、いくら店側が慎重に慎重を重ねても、現場に出る女性がルールに背いてしまえば、さすがに安全ではなくなるケースも出てくるかもしれません。
では、風俗店の安全対策とは一体どんなものがあるのでしょう。
現代の主流である、「待ち合わせ型ホテルヘルス店」(女の子とお客様が待ち合わせをして、一緒にチェックインするタイプのお店)で実際に講じられているポピュラーな策がこちらです。
2.お客様の車種、色、ナンバーの一部を把握する(申告と異なる場合は乗らない)
3.ホテルに入室後、女の子からホテル名と部屋番を電話で教えてもらう
この3つに関しては、大半のお店でも施行されているのではないでしょうか?
それでは、この安全対策の「理由」を解説してみます。
まず1と2については、言うまでもなく電話番号や車のデータは、お客様の大切な個人情報です。
無論、お店は得た情報は外部には絶対に漏洩させません。
管理に気を使わなければならないような大切な個人情報をあえて尋ねる理由。
それは悪意・ひやかし・イタズラの排除のため。
お客様に万が一悪意がある場合、調べられたら身元が分かってしまうような個人情報は伝えないでしょうし、自分の電話番号を堂々と通知していたずら電話をする人はいないですよね。
要は個人情報を尋ねるという行為は、「悪意」と「ひやかし・いたずら」を排除するフィルターになり得るんですね。
以前「風俗で稼ぐ女性になるための3ステップ(初級編)」において少し触れましたが、この10年、風俗業界は淘汰を経て、かなり浄化されました。それを肌で知るお客様方にとって、お店や女の子を安心させることに協力することは、もはや常識といってもいいくらいです。
そして更に、3の、ホテル名と部屋番号の申告。
店側が女性の居場所とコース(滞在予定時間)を把握することが何よりの安全対策になることは、言うまでもありませんよね。
トラブルの実例
それでは実際に、僕の店で起きたトラブルを挙げてみましょう。
Kちゃんの音信不通
Kちゃんは22歳。彼女はそれほど人気のある子ではなかったのですが、一部熱烈なファンのいる“天然系”の優しい女性でした。
出勤も「気が向いたら的な」Kちゃんには、入店時から稼ぐぞ! という意欲自体があまりないようでしてね。
本来なら、オーナーとしては「物足りない人材」なんですが、憎めないというか、放っておけないというか(笑)。
とにかく彼女はそんな「人徳」のある女性だったのです。先輩からも妹のように可愛がられるKちゃんは、ボウズ(指名がなく稼ぎがない)でも全然へっちゃら。待機所で色んな子たちにイジられてはいつもニコニコ。
ネガティブなことは一切言わず、人の悪口を言わず、妬みや嫉みとは無縁な気質。
こういう人は、どんな業界でも大切にされるものです。
ところがある日、Kちゃんはその天然ぶりを遺憾なく発揮します。
新規のお客様との待ち合わせ場所に赴いた彼女は、伝えられていた通りの車に乗り込みました。お客様の携帯番号も分かっていますし、車のデータも申告と一致したとなれば、もうそれほど心配はいりません。
あとはホテルの部屋に入室後、ホテル名と部屋番号を報告してもらえればお店としてはひと安心です。ところが、その肝心要の超重要な電話が、一向に鳴りません。
“トルゥゥゥゥゥ・・・・・・”
“電源が入っていないため、お繋ぎできません”
僕のお店は事務所の場所柄、小規模なホテル街と提携しており、車でのチェックインならかなり行き先を限定できたのです。
とはいえ、安心できる状況ではまったくありません。居ても立ってもいられず、ホテルへ急ぎました。
「もしホテルにその車がいなければ・・・・・・」
重苦しい空気を振り切るように走り出した僕の脳裏を、優しいKちゃんの笑顔が走馬灯のようによぎりました。
妹のような、娘のようなKちゃん。
こんなことになるのなら、ホテヘルなんてしなけりゃ良かったとさえ思いました。
あんないい子がこんなトラブルに巻き込まれて・・・・・・。
んっ!?
10m向こうにその人を認め、僕は急ブレーキです。
何とKちゃん、呑気なことにカプリコ(チョコ)を食べながら歩いて帰ってきました(汗)。