吉原のレジェンドがヒメクリ講師になった日｜Hime’s create かすみ～後編～

Hime’s create（ヒメクリ）風俗講師 かすみ

東京都出身。専門学校を卒業後、幼稚園教諭に。副業として22歳でヘルスを始め、のちに吉原へ。一時期はタイ古式マッサージを極め、インストラクター資格も取得。起業を目指すもうまくいかず、再び吉原に出戻り。風俗歴は約20年という大ベテラン。元々は元々は講習員をする予定で、ヒメクリのさくら先生の講習を受講。そこで女の子への想いや指導方法に感銘を受け、店舗の講師ではなくヒメクリの講師を目指すことに。低身長で胸も小さいというコンプレックスがありつつも、現役時代は入店4か月でナンバー1になった売れっ子嬢で、Twitterのフォロワーは1万人越え。同じ悩みを持つ女の子たちの強い味方となっている。

この記事は後編です（前編はコチラ）

ここからはさくら先生にも登場していただき、かすみ先生とのエピソードをお聞かせいただきます。

さくら先生から見た、かすみ先生

まず「講習希望」の連絡がきた時、店名と名前を見て、どんな方か調べるじゃないですか。
吉原で超有名な熟女店。そして、ホームページのトップに顔写真がある看板嬢…。「こんな人気嬢さんが私に何を教わりたいんだろう」と。

しかも、調べたら超有名な方で。Twitterアカウント数も1万オーバー。Twitterをほとんど活用していないにも関わらず（笑）。ますます構えちゃいますよね。

でも、会ってびっくり。明らかに年下の私に対してもとにかく低姿勢。

かすみ先生は、キャリアも長いので、少し教えればすぐにコツをつかみ、技自体は、すぐにできるようになるんですよ。なのに、基礎、初級、中級、上級、最上級とヒメクリのマニュアルを習得したあと「これで全部だよ」とお伝えすると「もう1回最初から講習をお願いします」と。

しかもですよ、2周目の講習も修了したあとに、再び「もう1回最初からお願いします」って（笑）
自分が出来ることと、人に教えることは違う。どんなレベルの女の子にもきちんと教えられるよう、何度も何度も復習をしたかったようなんです。本当に研究熱心。

私はこの時点で「こういう方がヒメクリに入ってくれたらいいな」と内心思っていました。もちろん、引き抜くようなことはご法度ですし、そんなことは口に出しては言えませんでしたが。

指名ゼロから3ヶ月80本を取れるまでに。

ここからは対談形式でお届けします。

かすみ先生は以前、痴女プレイでも有名だったとか。求人みっけでインタビューした吉原歴の長い女の子も、かすみ先生の技術力を絶賛していました。

実は人としゃべるのが苦手だったんですよ。どうすれば話さなくていいかを考えた末「話す時間を与えないくらい抜いちゃえばいいんだ」って（笑）。お客様が入店して、受付でサービスを始めちゃうこともありましたね。完全に痴女キャラを作っていましたが、そのキャラが功を奏し、連日完売でした。

それは伝説になるわけですね（笑）

私は「お客様の心に寄り添う接客をしてね」と教えているので、いま生徒だったら「それだけじゃこれ以上は伸びないよ」と言っていたかもしれません。でも、当時は、そのスタイルで名を馳せた方。今でもネームバリューがすごくて、最近も吉原を歩いているとかすみ先生の知り合いばかり。どこかの組織の人か、ってくらい、いろんな場所で挨拶されてるんですよ（笑）

かすみ先生は最初から売れっ子だったんですか？

いやぁ。ひどかった…ダメ風俗嬢（笑）。最初はヘルスにいたのですが、入店から数か月経っても指名ゼロ。幸い人気店だったのでお客様は入ったんです。それに甘えて毎日「ただ時間が過ぎればいい、こなせばいい」としか考えていませんでえした。
でも、ついに店長に「明日から来なくていい」と言われてしまったんです。
翌日「すみません、心を入れ替えたのでもう一度働かせてください」と電話したんですが、「一日で変わるわけない」とあっさり電話を切られました。

よほど信頼されていなかったのでしょうか（汗）

しつこく電話をしたら、さすがに観念したのか「3か月で指名を50本取れなければクビ」と最後のチャンスを与えてくれました。私は「そんなの無理じゃん。でも3か月はこれでお給料がもらえるから助かった」くらいに考えていたんです。本当にひどいですよね（苦笑）

3か月が過ぎて、結果はどうだったのですか？

まぁ、せっかくだから、ちょっとはお仕事に対して真剣に向き合ってみようかな〜、なんて思ったら、指名がポンと入ったんですよ。そうしたら面白くなっちゃって。工夫をひとつすれば結果になる。それの繰り返しで、3か月経つ頃には80本の本指名が取れて、ナンバーワンになっていたんです。

すごい！

でも「せっかく風俗で働いているのだから、吉原に行きます！」とあっさりお店に別れを告げ、吉原に。7年間勤めて、ここでも1位になりました。順調に稼げていたのにも関わらず、タイ古式マッサージにはまり、数々のマッサージ資格を取得したんです。
起業を目指して勢いで退店したのですが、結局うまくいかず、しばらくプラプラと（笑）

すごいですよね（笑）。かすみ先生は思いたったら即行動タイプ。そもそも学ぶことが好きなので、確実に技術を習得しちゃうんですよ。

長期のブランクを経て、最後は吉原の有名熟女店に入店。過去の栄光で「あの子が復帰したのか」と来てくださる方もたくさんいました。しかし、今までの痴女プレイだけでは、新規のお客様は掴めても、長くお付き合いできる本指名様を増やすことには苦戦。「若い頃のやり方だけでは売れない。昔とは違うんだ」と現実を叩きつけられた気持ちでした。

時代と共に変化するもの、変わらないもの。

それでも再び人気嬢になったのが、またすごいのですが。ブランクが空けて、どんな気づきがありましたか？

小手先の技術だけでは通用しないということ。そしていつになっても変わらず大切なものは「心」。人として好きになってもらうことが、長く通ってもらうための秘訣だなと改めて感じましたね。あとは、SNSを活用して、今の時代の流れをもっと把握しないと、と思いました。

お姉さんのお店って人気があるんですよ。もちろん痴女っぽさを求められることもありますが、何よりも求められるのは包容力だと思います。若い男性も、年上に癒されたくてお店を利用しますが、そんな時、SNSを活用できるお姉さんだと、集客につながりますよね。

なるほど。今はSNSの活用は当たり前の時代ですものね。

私は個人で予約を受けることは少なかったんです。人気アーティストのチケットを取るのように、お客様が予約開始と同時に電話。それで取れなければ終了。誰の予約が入っているのかも、当日までわかりませんでした（笑）

卒業間近になると、かすみ先生の本指名様で予約を取れなかった方は「もしかして当日キャンセルが出るかもしれない！」と、お店の近くで待機する方もいたようで。かすみ先生は、驚くような話が本当に多いんですよ（笑）

確かに個別に予約が取れていたらお客様もそんな大変な思いはしませんでしたね（笑）。さくら先生から見て、かすみ先生の魅力を教えてください。

まず怒らないですよね。優しい。本当に女の子のことを考えているし、幼稚園の教員をやっていたこともあるだけに、社会的な常識も持ち合わせています。あとはマッサージが本格的。タイ古式だけでなく指圧やオイル、足つぼも資格を取得しています。最近は癒しを求めるお客様も多いですし、エロさを融合させたマッサージを提供できるんですよ。私の教え子さんのなかでも、「マッサージを覚えたい」という子には、かすみ先生をおススメしています。

底辺からナンバーワンへ。私だからこそ教えられることがある。

素朴な疑問なのですが、現役時代、自分の技術を教えることに危機感を感じたりすることはなかったのでしょうか。

全然ないです。どうぞどうぞって感じです。
私がヒメクリの講習に通い出した頃はよくそういうことを言われましたね。「人に教えるために、なぜわざわざお金を出して学ぶのか」「何の得になるのか」。でもそういうことじゃないんですよ。ね（さくら先生に向かって）。

そうなんです。お金のためじゃないんですよね。その子が楽しくお仕事が出来るようになったり、目標を叶えてくれることが何よりも嬉しい。同じ技術でも、体型、声、性格が違えば、それぞれに個性が出てくるんです。自分の分身がどんどんできるみたいですっごくやりがいがあるんです。

基本的な技術、接客、集客方法のほかに「かすみ先生ならでは」といえる個人講習の内容を教えていただけますか。

やはり本格マッサージとソープならではのエロさを組み合わせたマッサージ。あとは、風俗講師は胸が大きいイメージでした。ですが、私はスレンダー。胸が小さい子でも自信を持てるテクニックを教えてあげたいです。

さくら先生とかすみ先生って、すごく仲が良いですよね。どんな関係ですか？

まだ先生と生徒という感じは否めませんね。教えてもらうことが本当に多いし、さくら先生は資料づくりも上手なんですよね。

年末の仕事納めの日に、かすみ先生と吉原の飲み屋さんで、忘年会をしてたのですが、朝5時まで語っちゃって（笑）。遊んできた帰りと思われる男性が近くにいたんですよね。私たちが今まで楽しく、お仕事をさせてもらえたのは、お客様のおかげ。女の子のために講師になったのはもちろんですが、私たちの講習を通して、お客様に笑顔になってもらい、少しづつでも御恩をお返ししていけたら幸せだよねって話していたんですよ。

女の子が楽しければお客様も楽しい。女の子を支えてくださるお客様にも還元。素晴らしいですね。最後にかすみ先生は、どんな講師になりたいですか？

お金を稼げる女の子になって欲しいのはもちろんですが、お仕事を「楽しい！」と思ってもらえるようになってほしい。特にお姉さん世代にも頑張ってほしいですね。SNSやLINEなどの使い方がわからず苦戦してる人も多いし、新たに学ぶ環境があることを知らない人もいる。でも、それをクリアしたら知らない世界が見えてくるんですよ。
「まだ稼げる、まだ新規の指名が取れる」そんな前向きな気持ちを味わってほしいんです。

私は底辺も見たしナンバーワンの世界も見ました。落ちて這い上がった紆余曲折があったからこそ、伝えられるものも多いかなって思います。