実は、プレイよりも重要ともいえるのが「会話」です。
プレイでよほどの失敗がなければ、お客様は満足するでしょう。しかし、逆に会話がかみ合わなかったり、会話によって気分を盛り上げることができなければ、どんなに良いサービスをしても満足度が低くなってしまうことがあるのです。
今回は風俗嬢が身につけるべき「会話のテクニック」をお教えしましょう。
45cm以内の密着感は、お客様にとっての安心感
初対面のとき、自分以上にお客様は緊張しています。慣れていないお客様はなおさらです。ときおり「よくわからないまま終わってしまった」という感想を漏らす方がいるのですが、これはお客様が緊張したままで、楽しむ余裕がなかったのでしょう。これでは、お客様はもちろん、一生懸命サービスした女の子にとっても残念な話。
そうならないためにも、プレイ前の会話で密接度を深めていきましょう。
お部屋では距離感を意識してください。私の講習をはじめて受ける子には、まず普段の流れをひと通りやってもらうのですが、最初に気づくのがお客様との距離。やたら女の子とお客様のスペースが空いている子が多いのです。
距離によってムードの高まり方は全く異なってきます。皆さん実践されているとは思いますが、基本は体にタッチできる距離に居てください。ベッドに腰掛けたときは体をぴったり密着させるのが最も効果的です。
社会心理学では『パーソナルスペース』という言葉があります。人が持つテリトリー意識のことなのですが、抱きしめたり相手の体に触れることができる45cm未満の距離感は、夫婦や恋人などに許せるスペース。もちろん夫婦や恋人ではないのですが、風俗店にきて、この空間に入りこんでくる女の子に違和感を覚えるお客様はいません。
緊張して会話がうまくできないお客様は「自分のこと好きじゃないのかな」「どう思っているのかな」など、内心不安でいっぱい。密着することで安心感を与えてあげましょう。
また、自分も同じ。相手に触れることや、思い切って抱きついてしまったほうが緊張が解けるものですよ。
会話は聞き役に徹して。話の主導権は常にお客様のもの
たとえ自分の知っている話題でも、大きく相槌をうち質問をすることでお客様は気持ちよくおしゃべりをしてくれるでしょう。そして、それに続くサービスも楽しんでいただけるはずです。
しかし、話上手で知識が豊富な女の子はお客様の話題をさらっていってしまうことがあります。
「それ知ってる!○○なんだよね!」。
男性は自分が知っている知識を他人が先に話すと、プライドが傷つくという心理をもっています。ましてそれが、自分が切り出した会話、しかも相手は女の子……。話が盛り上がることもあるかもしれませんが、主導権が切り替わってしまうことを面白くないと思う方もいます。
また、多いのが「でも」を言ってしまう女の子。
私の講習を受けている間も「でも、店長はこう言いました」「でも、私はこう思います」など、何度となく反論してくる子もいます。間違っていると思ったら、言わないと我慢できないタイプの子は、ついつい無意識に否定的な言葉を使ってしまいがちです。
状況によっては、自分の意見を押し通したいと思うこともあるでしょう。しかし、お店に来てくださったお客様との会話は「楽しむため」のもの。
議論することや、指摘することが目的ではないのです。間違えたことを言っていたり、自分の考えと違うことを言っても、決して口に出して否定してはいけません。
私は現役時代、知っていることや間違ったことを言ったお客様にも
「へぇそうなんだ」と大きくうなずいたり「知らなかった、よく知ってるね」などと相槌を打っていました。
興味関心があることを表情や声のトーンで表現し、お客様をとにかく立てる、褒める。会話が弾むのは良いですが、一方的に自分ばかり話しすぎないこと。
あくまでも主導権はお客様のものです。決して私たちが奪い取ってはいけません。
緊張しているお客様にプレッシャーをかけない
お話が好きな人や、自分が優位に立ちたいと思っているお客様は、自分から話題をふってきます。そんな場合は先述のように、相手が気持ちよくおしゃべりできるよう「聞き役」に徹します。
逆に無口なお客様への対応は、多くの風俗嬢が頭を悩ませるポイントです。
「今日はお仕事だったんですか?」「うん……」
「遅くまで残業だったんですね」。「そうだね……」
女の子から頑張って話題を振っても、ひと言しか返事がこなかったり、うなずくだけ。
日常生活でこのような反応であれば、疲れていたり、気分が悪いことも想定できますが、ここは風俗店。女の子と遊びに来るのが目的なので、そんな方はお店に来ませんよね。
やはり会話が苦手だったり、極度の人見知りだったり、緊張していたりするのです。
特に男性側は「どう思われているのかな」「女性経験が少ないってバレちゃうかな」「これからちゃんとイケるかな」「早くイッちゃったらどうしよう」など内心は不安でいっぱい。
そういった心境の方に、「うん」「そう」で片付けられる質問をしても、話は盛り上がらず重苦しい雰囲気になるだけです。
とにかくリラックスしてもらえる会話を心がけましょう。
例えば、相手が答えなくてもいいことは、一方的にでもどんどん話す。
「今日は暑いからお湯はぬるめにしておくね」「胸板がたくましくてかっこいいな」などです。
こういった言葉であれば、相手が返事をしなくても気にしなくていいですよね。
その時、楽しそうに笑顔で話しかけることがポイントです。会えて嬉しい、一緒にいれて楽しい、という態度を見せてください。
また、男性の趣味で多いゴルフ、競馬、釣り、パチンコ、ゲームなどを機会があれば実際にやってみたり、どんなものなのか調べておくといいですよ。
「ゴルフをやってみたいんだけど、どうやったらまっすぐ飛ぶんですか?」などと聞けば、詳しい人なら楽しそうに語りだします。
食べ物の話も、共通点が見つけられるポイントです。「私はとんこつラーメンが好きなんですが、どこか美味しいお店知ってる?」などです。
お客様からお店を聞き出せなくてもいいのです。あっさり塩味のほうが好きだったり、ラーメンより蕎麦が好きだったり。話しが膨らみ、会話の糸口になるのです。
ちなみに、メモを用意しておいて、お客様の言ったお店や情報を書くというパフォーマンスも有効です。さも“あなたの話に興味がある“ということをアピールするためです。
スマホだと連絡先を聞かれてしまう恐れもあるので、ここはあえてメモ帳を使いましょう。そうすることで、お客様がそのシチュエーションになったとき「あの子、そういえばこのラーメン食べたかな」など、あなたのことを思い出してくれるかもしれません。
実際に行かなくても、ネットで調べればだいたい味やお店のこともわかりますからね(笑)。テクニックのひとつとして覚えておいてください。
そうそう、私は現役時代、変わった小物を用意しておいて「これなんだかわかる?」と聞いて話を膨らませたりもしていましたね。出勤前やお休みの日に、東急ハンズなどに足を運び、面白いアイテムを探していたものです。
話しは「聴く」もの。耳だけで判断しない
会話は聞く、ではなく「聴く」ことが重要です。
「聴」という漢字を分解すると、耳、プラス、目、そして心で構成されています。耳で聞き、目で見て、心で受け止めてください。
その場の空気、状況を察しないとお客様を怒らせることにもなってしまいます。
実は私も失敗がありました。
お客様に大きくうなずき、同調することを意識していたのですが、あるとき会社に不満を持つお客様が上司の悪口を言ってきたのです。
私は思い切りうなずき、「それはひどいですね」と同調。これがお怒りモードだったお客様の逆鱗に触れてしまいました。「なんで会ったこともないのにひどいなんてわかるんだ! 何がわかるんだ!」と(苦笑)。
奥様の愚痴を言う方も多いですが、これも同様に要注意ですよ。
同調すべきか、あえて聞き流すべきか、笑顔でいいのか、神妙な顔にするのか。
どのような反応を期待しているのかを知るためにも、耳だけで受け止めるのではなく、しっかりと目でも心でも「聴く」ことが大事なのです。
逆に自分が聞かれて嬉しくないことをあえて聞くのはやめましょう。仕事のこと、家庭のこと……。言いたい人は自分から言ってきます。
「よく来るんですか」は絶対に聞かなくてもいい話題。普段は誰を指名している、他の子はどう、など、その質問をすることでお互いつまらない気分になってしまいます。
自分のウィークポイントを自ら話すお客様もいます。「俺、髪が薄いから」「俺、早漏だから」などです。とても勇気がいることですよね。
フォローができないような内容なら、自分のウィークポイントを伝えてあげましょう。
例えば、「私も胸が小さいのが悩みなんだ」と言われれば、お客様も安心してくれます。
毛深い、太っている、ということであれば「男らしい、たくましさ」という魅力に変えて褒めてあげてください。
早漏ですぐにイッてしまったあと、とても気まずそうにする男性に対しては「嬉しい!」と言ってあげましょう。
「気持ちいいから早くいってくれるんでしょう?すごく嬉しい!」と笑顔で伝えることで、あなたが女神のように見えてしまうかもしれませんよ。
会話のヒントはさしすせそ
「し」…知らなかった!
「す」…すごい!
「せ」…センスがいいですね!
「そ」…そうなんですか!
相手の言葉を心で受け止め、リラックスできる時間を作り上げていってくださいね。
楽しい会話は、お客様との関係をより豊かなものにしてくれるはずです。
ではまた、次回お会いしましょうね。
沙也加。