接客は「挨拶」から始まります。今回は、印象深い挨拶の仕方、相手に良い第一印象を与えられなかった場合、どのようにマイナスの印象からプラスに方向転換していくのか。そして、挨拶以外でもすぐにできるポイントアップの秘訣をお話しますね。
会えた喜びを全身で表現してみましょう
「これが自分のスタイルだから」と努力をしない。素のままでいることを「自分らしさ」と勘違いしている人がいます。
私たちは接客のプロ。時間内は、とことんサービスをし続けるのがお仕事です。
かと言って、嫌々やっていてはお客様にも伝わります。
プレイの仕方、態度などが自分と合わなかったとしても、自分を選んでくれたお客様には感謝すべきです。お給料をもらいながら、新しい技術を試させていただく機会だったり、経験を積む機会を与えていただいていることに感謝。「嬉しい、ありがとう」という気持ちがあれば、自然と丁寧な接客が出来てくるはずです。
会った瞬間から私たちのサービスは始まります。
初めて顔を合わせた時の笑顔が大事なのは、百も承知だと思いますが、お辞儀のタイミングも考えてみましょう。
「いらっしゃいませ」と笑顔で元気に挨拶しても、その時にお辞儀で顔が隠れていてはもったいないですよね。にっこり微笑んだあとに、深々とお辞儀をすれば笑顔もお辞儀もしっかりと印象づけることができますよ。
次に手を握ってみましょう。私が現役時代もそうでしたし、今の教え子さんたちに聞いても、強く握り返す人は攻め好きな人が多かったりします(笑)。
特に初めてのお客様はとても緊張していますので、触れることで安心感を与えてあげてください。
ソープ嬢はお部屋にご案内するときに、ヘルスなどでも一緒に歩く時間があれば積極的に手をつないだり腕を組んでみてくださいね。
そしてハグ。外側から抱きつくのではなく、脇の間から背中に手を通す「内側からのハグ」をすればより密着度が高まりお客様も喜びます。
中には「会えて嬉しい」という気持ちをうまく言葉に出来ない女の子もいるでしょう。そんな時にも密着して、耳元で優しく話せばOKです。目を合わせるのが恥ずかしくても、これならできそうですよね。密着していればムードも盛り上がるし、面と向かっては恥ずかしい言葉もすんなり出るようになったりするものです。
会ってすぐにイヤな顔をされてしまったら…
容姿に関しては好みもあるので、お客様から「ハズレ」という表情をされた……。そんな経験がある方もいらっしゃるでしょう。
何か直接言われたならともなく、単に表現が苦手なだけの場合もあります。まずは自分で勝手にお客様の心を決め付けないようにしてください。
ここで落ち込んでいたら、お客様の思うツボ。こちらがつまらないと思う感情はお客様にも必ず連鎖し、二度と呼んでいただけないどころか、ますます嫌味を言われたり、プレイが乱暴になったり、いいことは何ひとつありません。お客様は「この子じゃ満足できないな」と思えば、できるところで憂さ晴らしをしてしまう場合があるのです。
どうしてもソープではゴム無し強要、そのほかの業種でも本番強要の話がついて回りますが、同じ店であっても、嫌な思いを多くしている子と、全然しない子が存在するのはなぜでしょう。心あたりがあったら、自分の言動を振り返ってみてください。
もしかしたら、お客様の言動は、自分の言動を反映しているのかもしれませんよ。
さて、話を元に戻しましょう。
残念ながら「ハズレと思われてしまった」と察してしまったら、プレイ時間内に180度その感情を覆すくらいの気持ちでいきましょう。写真を大幅に加工している子は、そういう経験が増えてくるのは事実です。
第一印象でよく思われなかったら、人と同じ程度では満足してくれません。だから技術力は必要なのですが、それとは別にちょっとした気遣いがモノを言います。
お部屋までのエスコートは、必ず女性が前に立ってください。ドアの前までは先に歩き、お客様のお荷物を持ってエスコートするのです。ドアの前に着たら、ドアを開け、お客様を先に入れ、挨拶、お礼、ハグ、キス、脱衣、の順番で。
「どっちが部屋?」とキョロキョロさせてはいけません。室内でもトイレを探したり、何かを探させたりする前に、こちらが察して、場所の案内ができるように常にお客様のニーズを先読みするのです。
そして、心を込めた、とびきりの笑顔で「今日は選んでくれてありがとうございます」と言いましょう。
私が指導している女の子で、年齢も若くはなく、体型も決してスタイルがいいとは言えない子がいます。その子は、きちんと講習を受けたことがないため技術も乏しく、「接客」の本質を考えたこともなかったそうです。
今までお客様からさんざん嫌味を言われ放題。自分に自信をなくしていた彼女も、「プロの接客」を意識し、お客様の荷物を持ってエスコートをするようになりました。すると今までとは打って変わって、お客様に「こんなことまでしてもらったのは初めて。ありがとう」と、お礼を言われたそうなんです。思わずその場で涙ぐんでしまったとか。
そう、「接客」がお客様の質も変えていくのです。
お客様は日常ではできないことを求めている
お客様が来る前からできることもあります。
前回記事では、体臭には気をつけることをお伝えしましたが、お部屋についている臭いもあります。私はお部屋にアロマやお香をたいていました。使用感がないようゴミ箱の袋を新しくしたり、ティッシュが少なければ上げ底をして新しく見えるようにしたり。
備品は、部屋に備え付けのものではなく、自分専用のボディソープ、スポンジなどがあるとポイントはあがります。例えばカップなどはペアで揃えればとても喜ばれますし、ちょっといい歯磨き粉を用意して、その話題をしながらお口の中もしっかり磨かせてしまいましょう(笑)
いよいよ脱衣。衣類を脱がせる行為はお互いドキドキするものですね。
女の子の場合かぶるタイプの服は、あまりセクシーには見えません。ファスナーやボタン、リボンなど、脱がせる時の興奮を高めるような服を選ぶようにしましょう。
そして男性の服を脱がせるとき、靴下がとても臭う場合や、穴が開いている場合がありますよね。そんな時は決して冗談でも指摘せず、あくまでも気づかないフリをしてください。一番恥ずかしいのは本人です。黙って靴下を脱がせると「気づいているかな、恥ずかしいな」と思わせてしまうので、お客様の顔や、他に目線をやって楽しく会話をしながら脱がせてあげましょう。脱がせている靴下に意識は置かないようにするということです。
靴下に限らず、汗染みがついたシャツや汚れたYシャツなど、他にも指摘されたら嫌なことはあります。頑張って働いたお金で会いに来てくれるわけですから、わざわざ恥をかかせることは絶対にしないようにしてください。常に感謝の気持ちでね。
ソープでクローゼットがないお部屋は、お客様のジャケットが湿気っぽくならないよう、乾いたタオルを上からかけておきましょう。
営業マンさんのハンカチが汗でしわくちゃだったら、軽く洗って鏡に貼り付けておけばお帰り前には乾きます。乾かなければドライヤーを使えばOK!
また、前のお客様で押してしまって少し遅れてしまう場合は、決して「前のお客さん」の話をしないでください。ただでさえ、他のお客様に嫉妬しているので、口に出すこともしないのが得策です。
私の場合は「○○さんに見てもらいたくて新しく買ったガーター履いてたら時間に遅れちゃった」など、多少強引でも「あなたのために遅れた」という理由をつくっていました。
そのためにタグだけ取って、まだ留め糸がついている「いかにも新品」のガーターをいつもカバンに仕込ませていたくらいです(笑)。変だな、と思われても他の人のことを言われたり、時間にルーズだと思われるより断然いいでしょう。
お客様は普段、奥様や彼女からしてもらえないことをサラっとしてもらえると喜びます。服を脱がせてあげるのも、イチャイチャも、エスコートも、さりげない気遣いも。
これらはプレイに関係なくできる「接客」です。ぜひ取り入れてみてください。
ではまた、次回お会いしましょうね。
沙也加。